貸金業者が全部の取引履歴を開示しない場合・
消費者金融業者は、取引経過(取引履歴)を開示しなければいけない義務を負っています。しかし、過払い金のひき直し計算においては、取引履歴を全て開示すると莫大な過払い金になるため様々な理由をつけて開示しようとしません。
「10年以上前の取引経過は破棄した」「自動的に消去される」「文書で管理していて探せない」などといって、取引経過の開示を拒否します。 この場合の原告の自衛手段としては、推定計算によって過払い金を計算するのです。
推定計算、残高無視計算とは?・
推定計算、残高無視計算とは、ゼロ計算、残高ゼロ円計算とも言われ、サラ金業者(貸金業者)が取引履歴を全て開示しない場合に原告に有利になるように行う計算である。
推定計算方法
消費者金融業者の取引履歴例(例)
取引日 元金残高 入金 貸付金
1993年1月22日 366020円 0円 366020円
1993年2月27日 355147円 22000円
こういう記録から取引履歴が始まる場合、貸付金額に端数があることから実際には1993年以前から取引があるにもかかわらず取引履歴を全て開示していないことがわかる。 この場合、最初の貸付金をゼロ円として1993年2月27日の22000円の返済から、ひき直し計算をする。
残高ゼロ円計算例
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サラ金側の反論・
この場合、貸金業者は、その推定計算の結果の妥当性を争ってくる。 推定計算、残高ゼロ円計算をするとサラ金側は、「いきなり返済から始まる取引などありえない。残高は○○円残っている」と反論してくる。 しかしそのときは、「では、それだけの残高がある証拠としてそれまでにいたる経過の取引履歴を出せ」といえばよい。
第一回口頭弁論で口頭で取引履歴の開示を請求
貸金業者が推定計算などに反論してきた場合、第一回口頭弁論期日に口頭で取引履歴の開示を再度請求する。 この段階で全取引履歴が開示されることがある。 取引履歴が開示されれば、それに伴い再び引き直し計算を行い、過払い金の額が異なれば(増える場合が多い)訴えの金額を変更する。
それでも取引履歴を開示しない場合-文書提出命令の申立て
裁判所に文書提出命令を申し立てる。法律関係文書は文書提出命令の対象となるが、取引履歴はこの法律関係文書に含まれる。
文書提出命令の申立てがあると裁判所はこの申立てについて貸金業者に意見書の提出を促す。多くのの貸金業者は「すでに破棄してしまっているので出せません」などの意見書を書く。
この場合、一定の要件のもと推定計算の結果を真実と認めることが出来るとされているため、貸金業者が取引履歴を開示しなくても推定計算の金額が認めれる可能性がある。(真実擬制)
